省力化投資補助金「一般型」の第1回公募要領が公開されました。詳細は公募要領を確認ください。ここでは概要を説明します。
1. 本事業の目的
中小企業省力化投資補助事業(一般型)は、中小企業の省力化投資を促進し、売上拡大や生産性向上を図ることを目的とした補助金制度です。IoTやロボット、AIなどのデジタル技術を活用した専用設備の導入を支援し、人手不足解消を支援するとともに、付加価値額や生産性向上、さらには賃上げへとつなげることを目的としています。
2. 補助額と補助率
補助上限額と補助率は、企業の従業員規模に応じて異なります。また、最低賃金引上げ特例を適用することで、補助率が引き上げられるケースもあります。
補助上限額・補助率
従業員数 | 通常の補助上限額 | 大幅な賃上げ特例適用後 |
---|---|---|
5人以下 | 750万円 | 1,000万円 |
6~20人 | 1,500万円 | 2,000万円 |
21~50人 | 3,000万円 | 4,000万円 |
51~100人 | 5,000万円 | 6,500万円 |
101人以上 | 8,000万円 | 1億円 |
補助率は以下の通りです。
- 中小企業:補助金額1,500万円まで 2/3、1,500万円超の部分 1/3
- 最低賃金引上げ特例適用:2/3(小規模・再生事業者を除く)
3. 補助対象経費
本事業では、以下のような経費が補助対象となります。
- 機械装置・システム構築費(必須)
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
4. 審査項目
審査では、以下のようなポイントが評価されます。
(1)補助対象事業としての適格性
- 公募要領の対象事業、対象者、申請要件、補助率等を満たしているか
- 3~5年の事業計画で「労働生産性」年平均成長率4.0%以上を達成する取り組みであるか
(2)技術面
- 省力化指数の高さ:設備導入による削減時間と増加時間のバランスが妥当か
- 投資回収期間の短さ:設備導入による収益向上と費用回収の計算が妥当か
- 付加価値額の成長率:設備導入後の企業成長が見込めるか
- オーダーメイド性:企業の特性に応じた設備導入がなされているか
(3)事業実施能力
- 設備導入後の業務遂行体制が確立されているか
- 賃上げ計画が実施可能か
5. 加点項目
以下の取り組みを行う事業者には加点があります。
加点項目 | 内容 |
事業承継・M&A加点 | 過去3年以内に事業承継(株式譲渡等)を行った事業者 |
災害等加点 | 事業継続力強化計画の認定を取得している事業者 |
成長加速マッチング加点 | 成長加速マッチングサービスに登録している事業者 |
賃上げ加点 | 事業計画期間中に給与支給総額を年平均4.0%以上増加させる計画を有する事業者 |
えるぼし加点 | 女性活躍推進法に基づく「えるぼし認定」を受けている事業者 |
くるみん加点 | 次世代育成支援対策推進法に基づく「くるみん認定」を受けている事業者 |
6. 申請方法とスケジュール
- 電子申請が必須
- 交付決定日から18か月以内に事業を完了する必要あり
- 書面審査・口頭審査が行われる場合がある
本補助事業は、中小企業の生産性向上と人手不足解消を支援する重要な制度です。特にデジタル技術を活用した設備投資を計画している事業者にとって、大きなメリットがあります。申請を検討している企業は、審査項目や加点項目を意識した計画作成を心がけると良いでしょう。