成果をあげるための営業戦力の配置を考える③

営業・販売

攻むれば而ち必ず取るは其の守らざる所を攻むればなり、守らば而ち必ず固きは其の攻めざる所を守ればなり (孫子 虚実篇)

営業戦力配置に関する原則戦力配置を考える上での基礎となる顧客区分について検討してきました。次に実際の営業戦力配置について考えていきます。

営業戦力配置の基本原則

売上・成長率自社シェア位置付け・方針週当たり競合訪問回数自社週当たり訪問回数
売上大×成長率高最重要顧客、パートナーシップ強化
売上大×成長率高激戦顧客、自社シェア向上
売上小×成長率高将来の重要顧客、パートナーシップ強化
売上小×成長率高注目顧客、自社シェア向上
売上大×成長率低現在の上得意、適切に維持
売上大×成長率低片思い顧客、守り重視
売上小×成長率低隠れた安定顧客、守り重視
売上小×成長率低消滅候補、延命

ランチェスター法則に従えば、攻めに出る際は競合の3倍の戦力(一騎打ちの場合)や、最低でも1.7倍(集団戦の場合)の戦力配置が必要です。一方で、守りの場合は、競合と同等の戦力を維持すれば対応可能です。

営業戦力の計算方法

次に配置が可能な自社の営業戦力を洗い出します。

1日の業務時間8時間×60%÷(1社当たりの商談時間+移動時間)=営業担当者1人当たりの顧客訪問回数

つまり、仮に商談時間30分、移動時間30分とすると、1日当たりの訪問可能な顧客は5社まで、商談時間が1時間であれば1日当たりの訪問顧客は3社まで低下します。これを踏まえると、実際に十分な営業戦力を持っている企業は少ないと思います。

実際の営業戦力配置の考え方

営業訪問に充てる時間を無理に増やすのは避けるべきです。予期せぬチャンスやピンチが発生した際に、柔軟に対応できる余裕を持つことが大切です。また、労働環境の整備が必要で、無理を強いる働き方は長続きしません。余った時間は、新規顧客開拓や自己啓発に充てるのが理想的です。

営業戦力増加のための改善策

営業戦力を増やすには、量的増加と質的増加の両面からアプローチできます。

  • 量的増加策:協力会社の人員を自社戦力として活用する、社内間接部門を顧客対応に充てる、移動効率を改善して時間を短縮するなど。
  • 質的増加策:提案内容の標準化やデータベース化による準備時間の短縮、報告や会議などのデスクワークの効率化が考えられます。

営業戦力の効果的な配置は、企業の成長と顧客満足に大きく影響します。伸ばすべき顧客の伸びるタイミングを見計らい、適切に営業戦力を配置しましょう。

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