「体験価値」というワードをよく耳にしますが、これは経済状況の変化にあわせて生活者が「価値」を感じる対象が変化してきたことを意味しています。
経済成長期における生活者は、モノを所有することに価値を感じていました。
家に「●●」がある。
古い話ですが、昭和30年代初期は電気洗濯機、電気冷蔵庫、白黒テレビが「三種の神器」と呼ばれて普及し、昭和30年代後半になるとカラーテレビ(color TV)、クーラー(cooler)、自家用乗用車(car)が、それぞれの頭文字を取り「3C」と呼ばれて普及していきました。
以降も様々な「モノ」が開発され市場を賑わしてきましたが、携帯電話が出てきたあたりから「モノ」よりもその利便性=「コト」の価値が高まってきたように思います。
携帯電話を持っているとどこでも連絡が取れるため、例えば「18時に連絡があるから家にいなくてはいけない」といった制約から解放され、「行動の自由」という「コト」を手にれることができ、夫婦が買い物に行って離れ離れになっても携帯電話で連絡を取り合っていつでも合流できるといった安心を手に入れることができるようになりました。
その後デジタルの発展とSNSの登場により生活者主導の情報発信が容易になりました。
生活者は情報をシェアすることの意義や楽しさに気づき、自らの体験を積極的に発信するようになり、生活者主体の情報発信を獲得するためのプロモーションが増加しました。
生活者が発信するのは製品やサービスの情報ではなく、製品やサービスによって自分がどのような体験をしたのか=「モノ」ではなく「コト」で、その結果、生活者主導の情報発信を獲得するための「コト」マーケティングが隆盛を迎えました。
「コト」の体験が定着すると、より価値の高い「コト」への欲求が高まりました。
「その日」「その場所」「その時間」でしか体験できない = 希少価値の高い「コト」を楽しみ、その様子をシェアする傾向が強くなりました →「トキ」の消費。 年末年始のカウントダウンや渋谷のハロウィン、サッカー日本代表の応援など、人々が応援したり仮装したりするためだけに見知らぬ人と一緒になって、1つの場所に集まるのは「トキ」消費の典型的な例と言えます。
企業や製品、サービスがターゲットにどのような「トキ」を提供することができるのか?
伝えるべき要素を変化させるだけで企業・製品・サービスの価値が一気に高まる可能性があります。
生活者が求める「トキ」の価値に置き換えた情報発信、ご興味のある方は、ぜひトライブレインまでお問合せください!