1. 制度の概要
中小企業省力化投資補助金は、日本国内で事業を営む中小企業等を対象に、IoT機器やロボットなどの省力化製品の導入費用を補助する制度です。この補助金は、人手不足解消や生産性向上、売上拡大を目的としており、中小企業等が手軽に利用できる簡易かつ即効性のある支援を特徴としています。
対象者:
日本国内で事業を営む中小企業で、人手不足が課題となっている企業。
補助率と上限額:
補助率は1/2で、従業員数に応じた補助上限額が設定されています。
- 従業員数5名以下: 上限200万円(賃上げ要件達成時は300万円)
- 従業員数6~20名: 上限500万円(賃上げ要件達成時は750万円)
- 従業員数21名以上: 上限1,000万円(賃上げ要件達成時は1,500万円)
賃上げ要件を達成する企業は、補助額がさらに増額されます。
補助対象:
汎用性の高い省力化製品(例: 清掃ロボット、自動券売機など)を「製品カタログ」から選んで導入する「カタログ注文型」のほか、個別の業務プロセスに対応した「一般型」があります。
2. 2025年度の変更点
2025年度より、「一般型」の補助内容が大幅に拡充されることが発表されました。この変更により、補助対象が従来の範囲を超え、より多様な省力化投資が可能になります。
変更点の詳細:
- 「カスタマイズ機器」「ソフト+ハード」などの個別設計が可能に:
中小企業の業務プロセスや現場の実情に応じた機器やシステム導入が、補助対象として新たに加わります。これにより、単なる汎用製品の導入にとどまらず、業務改善やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進のための柔軟な選択肢が提供されます。 - 補助上限額の大幅引き上げ:
従業員数に応じた補助上限額が以下のように変更されます:- 従業員数5名以下: 上限750万円(賃上げ要件達成時は1,000万円)
- 従業員数6~20名: 上限1,500万円(賃上げ要件達成時は2,000万円)
- 従業員数21~50名: 上限3,000万円(賃上げ要件達成時は4,000万円)
- 従業員数51~100名: 上限5,000万円(賃上げ要件達成時は6,500万円)
- 従業員数101名以上: 上限8,000万円(賃上げ要件達成時は1億円)
- 補助率の引き上げ:
従来は補助率1/2が原則でしたが、最低賃金引上げを実施する企業に対しては補助率を2/3に引き上げる特例が設けられます。
メリット:
- 小規模事業者はもちろん、一定規模の中堅企業も支援対象となるため、多様な業種・規模の企業が制度を活用可能。
- DX推進や業務効率化のための投資がしやすくなり、生産性の向上が期待されます。
3. 制度活用のポイント
2025年度の変更により、補助金の活用幅が広がりました。ただし、申請には事前準備が必要です。特に「gBizIDプライムアカウント」の取得や、導入する製品・サービスの選定に時間がかかる可能性があるため、早めの対応が求められます。
また、「カスタマイズ機器」や「ソフト+ハード」の導入を計画する場合、製品選定や事業計画書の策定に専門家の協力を得ることが重要です。
中小企業省力化投資補助金は、業務効率化や生産性向上を目指す中小企業にとって強力なサポートとなります。特に2025年度の変更により、個別のニーズに応じた投資が可能となり、さらなる活用が期待されます。制度の詳細や申請手続きについては公式ウェブサイトを確認し、貴社の状況に合った最適な活用方法を検討してください。