十なれば則ち之れを囲み、五なれば則ち之れを攻め、倍すれば則ち之れを分かち、敵すれば則ち能く之れと戦い、少なければ則ち能く之れを逃れ、若かざれば則ち能く之れを避く(孫子謀攻篇)
営業活動と競争
営業活動の目的は、商品やサービスを顧客に販売することですが、市場には同じような商品やサービスを提供する他の企業が存在します。この状況はまさに「競争」と呼ばれるもので、顧客を獲得するために企業は他社と競い合うことになります。競争の中で、企業は自社の商品やサービスを差別化し、競合他社よりも優れた価値を顧客に提供する必要があります。
孫子の兵法の有効性
「孫子の兵法」は、古代中国の軍略書であり、戦争における戦略や戦術を説いています。しかし、その教えは単に軍事に限らず、ビジネスにおける競争戦略にも適用できるとされています。
勝利条件を見極める: 孫子は「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」と述べており、これは営業活動においても重要です。競合他社の強みや弱み、自社のポジションを正確に把握することで、効果的な営業戦略を立てることができます。
リソースの最適化: 孫子は戦力の集中と効果的な運用を強調します。営業においても、限られたリソースをどのように配分し、どのターゲット市場に集中するかを考えることが、競争に勝つための鍵となります。
柔軟な対応: 孫子は状況の変化に応じて柔軟に対応することを重視しています。営業活動でも市場の変化や顧客のニーズの変化に対応できる柔軟性が求められます。
ランチェスター戦略の有効性
「ランチェスター戦略」は、第一次世界大戦時にイギリスの航空技術者フレデリック・ランチェスターが提唱した戦闘理論を基に、田岡信夫先生が創出した戦略論で、ビジネスにおいても応用されています。
弱者の戦略と強者の戦略: ランチェスター戦略では、強者と弱者の立場に応じた異なる戦略が提案されています。弱者(市場シェアが低い企業)は、ニッチ市場や特定の顧客層に集中し、強者(市場シェアが高い企業)は、リソースを効率的に活用して広範な市場を支配することが求められます。
局地戦での優位性の確保: ランチェスター戦略は、局所的な市場での優位性を確保することが重要であると説いています。これにより、競合他社の強みと直接対決することなく、自社の強みを活かした営業活動が可能になります。
売上と訪問回数は相関すると以前にも述べましたが、“競争相手を上回る“訪問回数(≒商談時間)を確保することが重要です。営業人員数や稼働時間に限界がある中で、それらの営業リソースをどこに注ぎ込むことが効果的なのか、それを見極めることが営業マネージャーの最大の役割です。