法人営業における新規顧客開拓では、積極的なアプローチが求められます。特にPUSH型の戦略では、ターゲットリストの作成や飛び込み訪問など、能動的な活動が重要です。本記事では、新規顧客開拓のPUSH型戦略について解説します。
1. 精度の高いアプローチリストの作成
新規顧客を開拓するためには、ターゲットリストの精度が重要です。以下の方法を組み合わせることで、効率的なリストを作成できます。
- 市販リストの購入
- 手間をかけずに大量の企業データを入手可能。
- 企業情報(住所、設立年、従業員数、資本金、売上等)が充実。
- 費用がかかる点と、ターゲット外の企業が紛れている可能性がある点に注意。
- 公開情報の活用
- 国や業界団体の公開データ、インターネットタウンページなどを利用。
- 必要な情報を自社に最適化してリスト化可能だが、情報収集の負担が大きい。
- 自社情報の活用
- 過去の顧客リストや展示会・セミナーの来場者リストを活用。
- 自社サイトへの訪問者情報をIPアドレス解析ツールで取得。
2. PUSH型の飛び込み訪問のポイント
飛び込み訪問は、新規開拓の代表的な手法ですが、多くの営業担当者が心理的な障壁を感じます。以下のポイントを押さえることで、成功率を向上させることができます。
- 地域を細かく区切り、ローラー訪問を実施
- 半日単位でエリアを決め、集中して訪問する。
- 訪問件数を増やすことで、成果につながりやすくなる。
- 断られても次につなげる姿勢を持つ
- 「お話を聞いていただきありがとうございました」と礼儀正しく去る。
- 次回の訪問の可能性を残すため、資料を渡す際には手書きのメモを添える。
- 面会の確率を上げる工夫
- 「必要なければお断りください」と伝えることで、顧客側に決定権があると認識させ、安心感を与える。
- 受付担当者を味方につけることで、決裁者との面会確率を高める。
3. 成功率を高める営業トーク
飛び込み訪問でのトークのポイントは、顧客の課題に寄り添うことです。
- 小さな問いかけから入る
- 「今のサービスに満足されていますか?」
- 「最近、こういった課題はありませんか?」
- 小さなYESを積み重ねることで、スムーズに商談に移行。
- 決裁者だけでなく、利用者にもアプローチ
- 実際の利用者が意思決定に関わる場合、彼らの意見を引き出す。
- サンプル提供やアンケート形式の質問で関心を引く。
4. 成果を最大化する訪問後のフォローアップ
飛び込み訪問の効果を最大化するためには、訪問後のフォローが不可欠です。
- お礼の連絡を入れる
- 訪問後は電話・メール・手書きの礼状でフォロー。
- 「次回お伺いする際には、さらに詳しい情報を持参します」と伝えることで、次の訪問につなげる。
- 訪問データを記録し、PDCAを回す
- どの企業に訪問したか、担当者の反応、次回のアクションを記録。
- 訪問数やアポイント取得率を分析し、戦略を改善。
PUSH型の新規顧客開拓では、ターゲットリストの精度と、飛び込み訪問の質が成果を左右します。断られることを前提に行動し、訪問件数を増やしながらPDCAを回すことで、効率的な新規開拓を実現しましょう。