2025年度中小企業向け補助金の概要が見えてきました。

補助金

2024年12月6日に経済産業省から令和6年度補正予算案の事業概要(PR資料)、同じく12月6日に中小企業庁から令和6年度補正予算案 中小企業・小規模事業者等関連ポイント中小企業省力化投資補助事業、12月9日に追加にて令和6年度補正予算PR資料(中小企業庁関係抜粋)が公表され、2025年度の中小企業向補助金制度の概要が見えてきました。

1.主な補助金制度

補助金名趣旨予算補助対象経費補助率補助(上限)額その他備考
ものづくり補助金中小企業の製品・サービス高付加価値化を目的とした設備投資を支援。生産性革命推進事業として3,400億円機械装置費、システム構築費など1/2(特例: 2/3)中小企業規模により 200万円~1億円賃上げ要件や補助率など運用を見直し。
IT導入補助金中小企業のIT活用推進を支援。セキュリティ強化や業務効率化を目的とした投資を支援。生産性革命推進事業として3,400億円ITシステム導入費、セキュリティ対策費1/2上限額未記載セキュリティ枠の補助上限引上げ、汎用ツールの補助対象化。
小規模事業者持続化補助金小規模事業者の経営計画策定や販路開拓を支援。生産性革命推進事業として3,400億円販路開拓費、設備投資費用1/2上限額未記載制度簡素化(通常枠・創業枠などに再編)。
事業承継・M&A補助金事業承継やM&Aを促進するための支援。生産性革命推進事業として3,400億円PMI推進費用、DD費用など1/2上限額未記載PMI推進枠や事業承継促進枠の創設。M&A関連費用の支援拡充。
中小企業成長加速化補助金売上100億円を目指す中小企業を支援。生産性革命推進事業として3,400億円建物費、ソフトウェア費、外注費など1/2上限額未記載賃金要件や成長ビジョンを評価。
新事業進出補助金新規事業への進出や事業転換を支援。1,500億円規模建物費、機械装置費、専門家経費など1/2上限額未記載新規性や賃金要件などの基準あり。
中堅・中小成長投資補助金中堅・中小企業の大規模投資を支援。1,400億円工場新設費用、大企業経営人材受入費用1/2最大50億円(2024年度実績)賃上げや地域雇用創出を目的とした支援。
中小企業省力化投資補助事業中小企業の生産性向上や省力化投資を支援。3,000億円規模ロボット、DX関連設備、清掃ロボットなど1/2(特例: 2/3)200万円~1億円賃金引上げに応じた特例補助率あり。
地域災害復興補助金被災地域の復旧・復興を支援。223億円施設建替費用、事業再開支援費用1/25億円被災地域限定の補助金。

2. 主なポイント

  1. 補助金政策の全体像
    中小企業・小規模事業者の生産性向上、賃上げ促進、成長支援、新事業進出を目的とした各種補助金が設定されています。特に以下の分野に注力:
    • 生産性向上支援(ものづくり補助金、IT導入補助金など)
    • 新事業進出や事業転換(新事業進出補助金)
    • 成長加速化(中小企業成長加速化補助金、中堅・中小成長投資補助金)
  2. 新設・強化された補助金
    • 「新事業進出補助金」の創設(新規事業挑戦を支援)、事業再構築補助金の後継補助金となると思われます。
    • 「中小企業成長加速化補助金」の創設(売上100億円を目指す企業向け)、金銭的補助以外にも、海外展開、人材育成・人材確保など様々な支援策が付随しています。
    • 「中小企業省力化投資補助事業」の運用改善(人手不足対応の投資支援)、特に一般型として、カタログ掲載以外のカスタマイズ機器やソフト+ハードが補助対象となりました。
  3. 特例措置と簡素化
    • 賃上げ実施企業への補助率引き上げ(最大2/3)。
    • 小規模事業者持続化補助金の枠組み再編と制度簡素化。
  4. 被災地域向け支援
    • 能登半島地震や過去の災害に対する復興支援(施設建替や事業再開費用を補助)。

これらの施策は、中小企業・小規模事業者の競争力強化と持続的な賃上げを目指したもので、設備投資や事業拡大を積極的に支援する内容となっています。

3.補助金申請を考えている方が、今、すべきこと

  1. 賃上げの計画及び実施
    賃上げは国の最重点対策となっています。2024年度に引き続き、各補助金の申請条件に組み込まれることが予想できます。補助金申請を考えている方は、同時に賃上げについての計画を進めていくことをお勧めします。
  2. 加点項目、申請システムの準備
    パートナーシップ構築宣言は、引き続き各補助金の加点項目となることが予想できます。その他にも、女性の活躍推進企業データベースなども同様に加点項目となる可能性があります。また、申請手続は、電子申請に一本化されてきています。まだGビズID(プライム)を取得されていない方は、直ぐに取得することをお勧めします。いずれも手続自体はそれほど難しいものではありません。また、取得や維持自体に費用が必要なものではなく、その後の経営の縛りになることもありませんので、今から手配を進めてください。
  3. 事業計画書、申請書の準備
    近年は、主要補助金については年数回の申請チャンスがありました。しかし2024年度になって、公募のペースが明らかに落ちています。現時点では、公募の回数などは分かりませんが、限られた機会となることを想定して準備を進めるに越したことはありません。

ここに紹介した情報は、現時点で確定しているものではありません。詳細が判明したら、当記事においてもできるだけ早く取り上げていきたいと思います。

トライブレインでは、主要補助金について、申請支援も行っています。補助金事務局勤務経験を持つ当社メンバーの他、補助金専門コンサルタントや様々な専門家とも提携し、補助金申請のためだけでなく、「実際に使える」事業計画を皆さんと一緒に作成します。詳しくはこちらをご覧ください。

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