BtoBマーケティングにおける施策と効果測定の基準

マーケティング

BtoBマーケティングでは、展示会を中心とした戦略を採用する企業が数多く存在します。展示会は、新しい見込み客と直接接触し、製品やサービスを紹介する場として、また、ブランド認知や競合他社の動向把握など、市場調査の役割も果たしてきました。効果測定は、名刺交換数といった量的成果やリード収集フォーム、アンケートによる質的成果を通じて行われてきました。

しかし、現代のBtoB取引では、買手側も積極的に情報を探索し、特に初期段階ではWEBを活用することが主流となっています。展示会に足を運ぶ頃には、すでに候補先が絞られているケースが珍しくなく、ある調査によれば、最初に問い合わせを受けた企業が75%の確率で受注に成功するという結果も出ています。

このような状況下で、見込み客を早期に“見える化”し、適切なアプローチを行うことが成功のカギとなっています。近年では、WEBプロモーションを主戦場とする企業が増加しており、主な施策として以下のような手法が挙げられます。

1. コンテンツマーケティング

オウンドメディア(ブログ、ホワイトペーパー、eブックなど)を通じてターゲット顧客に価値ある情報を提供し、信頼関係を構築しつつリードジェネレーションを促進します。

2. メールマーケティング

見込客や既存顧客に定期的に有益な情報を提供し、リードナーチャリング(見込客の育成)を通じて購買意欲を高めます。

3. ウェビナー・セミナー

専門知識や製品情報を提供するセミナーやウェビナーを通じ、顧客の信頼を獲得し、リードクオリフィケーション(見込み客の選定)を行います。

4. ソーシャルメディアマーケティング

LinkedInやX(旧Twitter)などのソーシャルメディアを活用してブランド認知度を高め、リードジェネレーションを促進します。

5. アカウントベースドマーケティング(ABM)

特定の企業やアカウントに焦点を当てたパーソナライズドマーケティングにより、商談化・受注率を向上させます。

6. サーチエンジン最適化(SEO)

検索エンジンでの上位表示を目指し、オーガニックトラフィックを増加させ、見込み客の獲得を促進します。

見込み客の獲得がWEBに移行する中、展示会は製品の「検討」段階において、実機確認や顧客との関係強化に役割をシフトしています。

費用対効果とLTV基準の重要性

費用対効果の観点では、WEBプロモーションはオートメーション化の名の下にルーティン化が進み、各施策の効果が分かりにくい傾向があります。一方、展示会では名刺交換数が必ずしも成果を反映しないケースが増えています。

こうした中で、トライブレインではBtoBマーケティングにおける効果測定の基準を、「商品」から「顧客」基準に変えることを提唱しています。特にBtoB取引は継続的な取引が前提であり、初回の取引額のみで判断すべきではないという考え方です。

例えば、工作機械の場合、メーカーの継続率が高い傾向があり、メンテナンスや消耗品の補充による追加売上も見込まれます。このため、顧客あたりのLTV(ライフタイムバリュー)を基準に評価し、プロモーション施策を計画することで、従来とは異なるアプローチが可能となり、より多くのリードを獲得できる可能性があります。

BtoBマーケティングにおける成功のカギは、顧客との長期的な関係を築き、LTVを最大化することにあります。

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