成果をあげるための営業戦力の配置を考える②

営業・販売

而て戦う可きと而て戦う可からざるとを知るは勝つ(孫子 謀攻篇)

限りある営業戦力で成長を実現するために、営業戦力の配置は重要です。戦力配置についての原則は以前説明しました。

今回は配置先となる顧客について考えたいと思います。

営業戦力を最適化する顧客グループ分けの考え方

多くの企業では、売上高と成長率を基にした顧客グループ分けを行っていますが、トライブレインではこれに加え、「自社シェアの高低」を加えた3軸でのグループ分けを提案しています。さらに、顧客の業界内シェアも考慮することで、より精度の高い戦略立案が可能になります。

自社シェアと業界シェアを加味する理由

自社シェアが高いか低いかによって、顧客にとっての自社の重要度が変わり、それに応じて営業方針も変わります。また、顧客が所属する業界内でのシェアが高ければ、成長や存続の可能性が高まり、顧客への対応を通じて自社の技術やノウハウも向上するというメリットがあります。

顧客の8つのグループ

顧客を「売上」「成長率」「自社シェア」という3つの軸でグループ分けし、それぞれに適した対応を見ていきましょう。

① 売上大・成長率高 × 自社シェア高

この顧客は最重要顧客です。顧客の成長が自社の成長に直結するため、営業担当は顧客の課題発掘と競争力向上のための提案に注力し、パートナーシップを強化します。

② 売上大・成長率高 × 自社シェア低

競合にとって魅力的な顧客であるため、営業領域を絞り込み、自社のシェアを高める戦略が必要です。攻めの立場であれば、競合に集中攻勢をかけ、シェア拡大を目指します。

③ 売上小・成長率高 × 自社シェア高

将来の最重要顧客になる可能性が高いため、パートナーシップを推し進め、①と同様の対応を取ります。

④ 売上小・成長率高 × 自社シェア低

競合も注目している顧客であり、業界内でのポジションが確立している場合、競合に対して優位に立てる領域を見極め、戦力を投入します。

⑤ 売上大・成長率低 × 自社シェア高

現時点で自社を支える重要顧客ですが、過度な戦力投入は成長機会を損なうため、最適なリソース配分を検討しつつ、再成長のチャンスがあれば積極的に提案を行います。

⑥ 売上大・成長率低 × 自社シェア低

競合が確固たるポジションを持っている可能性が高いため、守りに徹し、取引を維持するための対応が必要です。

⑦ 売上小・成長率低 × 自社シェア高

目立たない顧客ではありますが、安定的な収益をもたらす存在です。対応が疎かにならないよう、適切な訪問頻度で関係を維持します。

⑧ 売上小・成長率低 × 自社シェア低

最低限の営業戦力を投入し、効率的なリソース配分を心がけながら、必要な場合には維持に注力します。

限られた営業戦力を最大限に活かすためには、顧客を分類し状況に応じた戦力を配置することが不可欠です。自社の成長と顧客の成長をリンクさせ、持続的な発展を実現しましょう。

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました