営業担当者が集めるべき情報-取引先担当者の意思決定タイプ

営業・販売

先ず其の守将左右謁者門者舎人の姓名を知りて吾が間をして必ず索りて之れを知ら令めよ(孫子 用間篇)

取引先担当者の性格や傾向は、意思決定に大きな影響を及ぼします。ここでは、担当者をキャラクタータイプ別に分類し、それぞれの特徴と対応策を整理します。

1.積極×合理派

タイプ: プロフェッショナル型

傾向: 若い上級管理職や、スカウトで入社した管理職など

特徴:

  • 目的重視で、手段には柔軟に対応
  • 知的好奇心が強く、学習意欲も高い
  • 過去の経緯にとらわれず、フレッシュな視点で判断
  • ドラスティックな改革にも積極的
  • 要望が明確で、期待に沿わなければ罰則も明示

対応策:

・一度能力に疑念を持たれると、回復が難しいため注意

・業務における貢献を最重視し、信頼を得る

・必要に応じて情報提供や調査費などの便宜を図る

・提案には根拠を示し、感覚的な意見は控える

・プライベートな話題での接触は慎重に

2.積極×感覚派

タイプ: 「オレ様」型(朝令暮改)

傾向: オーナー経営者、経験豊富な中間管理職、意欲的な若手担当者など

特徴:

  • 感覚を重視し、データより直感で判断
  • アイディアを重視し、自身も新しい提案を行う
  • 情に厚く、人間関係を大切にする
  • 自分の判断に強い自信を持ち、変更をためらうことも
  • 担当者の相性を重視し、好みがはっきりしている

対応策:

・相性が合わない場合、担当者変更の検討も考える

・プライベートも含めた関係構築が重要、接待も時には有効

・こちらは実務者として徹底的に相手の意向に合わせる

・駆け引きではなく、率直な姿勢で接する

・関係がこじれた際は迅速に修復に動く

3.消極×合理派

タイプ: 経費節約合理化

傾向: 権限が明確に区分された企業の現場担当者

特徴:

  • 自分の権限範囲に非常に敏感
  • 決まった範囲内の案件にだけ関心を持つ
  • 小額案件や効率化に熱心だが、大きな変化には慎重
  • 上位者の決定に依存することも多い
  • 客観的な対応を心がけ、個性を表に出さない

対応策:

・反対派にならないよう注意しつつ、協力体制を築く

・相手の権限を理解し、その範囲内で案件を進める

・大きな案件ではなく、日常的なサポートを重ねる

・接待は効果が薄い

・却下された際の理由に理解を示し、関係を維持する

4.消極×感覚派

タイプ: 優柔不断型

傾向: 停滞傾向のある企業やオーナー企業の現場担当者

特徴:

  • 判断基準が曖昧で、意思決定が頻繁に変わる
  • 決定を避け、上位者に判断を委ねる
  • 革新よりも現状維持を好む
  • プライドが高く、軽視されることを嫌う

対応策:

・プロジェクトへの積極的な関与姿勢をアピール

・自信がある場合は、強めに意見を伝える

・提案コストを抑え、接待や交際費も維持

・関係が悪化した場合は迅速に修復を図る

・進行スケジュールには余裕を持たせる

取引先担当者のキャラクターに合わせて柔軟な対応を心がけることで、より効果的な営業活動が可能になります。

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