ダイレクトマーケティングでは、(見込)顧客から反応を引き出すために、インターネットや新聞・テレビといったマスメディア、さらにダイレクトメールや電話など、さまざまな経路を活用して情報や刺激を提供します。このように、顧客との接点を持つ経路にはそれぞれ異なる特性があり、使い分けることで効果的なマーケティング活動を実現できます。
1. 主な経路とその特徴
以下に、主要な経路ごとの顧客獲得効率、費用、リピート率、および各経路の特性を比較しました。
経路 | 顧客獲得効率 | 費用 | リピート率 | 備考 |
---|---|---|---|---|
インターネット | 最も良い | 安い | 低い | 成果報酬型サービスが多い |
ラジオ | 良い | ある程度安い | 普通 | 放送エリアが限定 |
テレビ(CS) | 良い | ある程度安い | 普通 | チャンネルごとに特性が異なる |
テレビ(BS) | 良い | 高い | 普通 | 全国一斉に放送 |
テレビ(地上波) | CS・BSより劣る | 高い | 普通 | 全国放送かローカル放送か選択可能 |
新聞 | 悪い | 高い | 良い | エリアによって全国紙・ブロック紙・県紙と異なる |
雑誌 | 悪い | 高い(雑誌により異なる) | 良い | 読者層や読者数が雑誌ごとに異なる |
折込チラシ | 悪い | 折込枚数による | 良い | 折込枚数とエリアを指定可能 |
ダイレクトメール | 悪い | 発送枚数による | 良い | 紙とネットで特性が異なる |
2. 効果の傾向
- 顧客獲得効率
顧客一人当たりの到達コストで見ると、インターネットの成果報酬型サービス(例:1クリックごとに料金が発生するモデル)が一般的に最も安価です。マスメディア同士で比較すると、電波メディア(テレビ・ラジオ)が紙メディアよりも到達コストが低くなる傾向があり、顧客獲得効率も高くなりがちです。一方で、折込チラシやダイレクトメール(紙媒体)は印刷費や配送費がかかるため、コスト効率はやや劣ります。 - 顧客獲得数
マスメディアは一度の広告で多くの視聴者に到達できるため、見込顧客数を迅速に増やす場合に適しています。特に売上を早急に増加させたい際には、マスメディアを選ぶと効果的です。 - リピート率
インターネット経由の購入は他の商品と比較してから選択されやすく、他社に流れやすいためリピート率は低くなりがちです。また、インターネット通販ではEメールを通じたフォローが多いものの、顧客のEメール使用頻度が低いため、リピートにつながりにくい傾向もあります。
一方、マスメディアは情報量が多いほどリピート率が高くなる傾向があります。例えば、新聞では詳細な情報を文字で伝え、さらに読み返すことができるため、顧客が納得して購入に至りやすく、結果としてリピート率が向上します。
各経路の特性を理解し、顧客の属性や販売目標に応じて適切に使い分けることが、ダイレクトマーケティングの成果を高めるカギとなります。