売上は「客数 × 客単価」で構成されることは、多くの方がご存じでしょう。しかし、これをさらに深掘りすることで、売上向上の具体的な施策を見つけやすくなります。
1. 客数の分解
客数は次の3つの要素に分けることができます:
「売場数 × 来店客数 × 購入率」
① 売場数
「売場数」とは、自社商品が取り扱われる場所の数を指します。
- インターネット通販では「取扱サイト数」
- メディア通販では「広告出稿数」
- 流通経由では「取扱店舗数」
売場を増やすことは、販売チャンスを広げることにつながります。
② 来店客数
「来店客数」は、売場を訪れる顧客の数を指します。
- インターネット通販では「ページビュー(PV)」に相当します。
さらに、来店客数は次のように分解できます:
新規客数 + 既存客数 × 来店回数
既存客の来店頻度を高めることは、延べ来店客数の増加につながります。
③ 購入率
「購入率」は、来店者の中で実際に購入した人の割合を示します。
例:100人が来店し、そのうち10人が購入した場合、購入率は10%です。
2. 客単価の分解
客単価は次のように分解できます:
「購入アイテム数 × アイテム単価」
また、LTV(顧客生涯価値)の計算式の一例として、以下のような式が挙げられます:
「購入単価 × 購買頻度 × 契約継続期間」
これにより、顧客ごとの長期的な価値を把握しやすくなります。
3. 販売施策の開発
販売施策を考える際には、大きく**「商品側」と「販売側」**の2つの視点があります。
①商品側の施策例
- 商品バリエーションの追加
- 関連商品の提案
- 価格改定(値上げ・値下げ)
- 商品仕様の変更
②販売側の施策例
- 売場の拡大(新規客の誘引)
- 特典の提供(既存客の来店促進)
4. アロマミスト通販における施策開発の例
以下の図は、アロマミスト通販事業において、売上構造を分解し、新規客および既存客に向けた施策アイデアを出したものです。
分解した売上構造の各項目ごとにアイデアを出すことで、幅広い施策を検討できるようになります。売上を要素ごとに分けて考えることで、それぞれの要素に対応した具体的な施策を開発することが可能です。
売上を「客数 × 客単価」として捉えるだけでなく、それぞれを細分化することで、改善の余地が明確になります。これにより、より精緻な販売施策の立案が可能となり、売上向上に直結するアイデアを生み出すことができます。