聞き手を動かすトークと資料作りの技術

営業・販売

兵を形すの極みは無形に至る(孫子 虚実篇)

優れた提案も、伝わらなければ意味を成しません。営業の現場では、大小様々な形でプレゼンを行う機会がありますが、聞き手を動かすには、トークと資料作りの両面で工夫が求められます。型に囚われず、状況に応じて柔軟に対応することが重要です。

1. 説明トークの技術

① 最初のつかみを工夫する
プレゼンの成功は、最初にいかに聞き手の注意を引くかにかかっています。質問を投げかけたり、興味を引くエピソードから始めたり、インパクトのある演出を使うなど、”つかみ”を工夫して聞き手の関心を集めましょう。

② ノイズを無くす
「あー」「えー」「つまり」などの口癖は、聞き手の集中を妨げる原因になります。これらのノイズを意識的に減らすことで、話の内容に集中してもらいやすくなります。

③ “間”を意識する
プレゼン中の”間”は、聞き手の意識を説明者に向ける大事な要素です。スライドの切り替え時や強調ポイントでは、適度な間を取ることで内容がより印象的になります。

④ 棒読みはNG
資料の内容をただ読み上げるだけでは、聞き手の興味を引くことはできません。資料に載せきれない情報を口頭で補足したり、話し言葉を使ったりして、聞き手とのコミュニケーションを意識しましょう。

⑤ 熱意と自信を感じさせる
プレゼンの本質は、聞き手に「ベネフィット」を感じてもらうことです。提案の利点(メリット)だけでなく、それがもたらす未来(ベネフィット)を、熱意と自信をもって伝えることで信頼を獲得します。


2. 資料作りの技術

① テーマを明確にする
プレゼンの目的、ターゲット、提案の範囲を明確にし、資料のタイトルやテーマで一目で分かるようにしましょう。ブレのない主張が重要です。

② 目次は提案の骨子
資料作りは、目次(章立て)から始まります。主題を冒頭で提示し、その後データや分析で根拠を示し、最後に結論を述べるという構成を意識すると、説得力のある流れが生まれます。

③ 見出しが大切
各ページの見出しは、ページ内容を一目で理解できるように工夫します。聞き手が瞬時に内容を把握できるようにすることで、プレゼンのテンポが良くなります。

④ 情報は簡潔に
情報量が多すぎると、かえって理解の妨げになります。画像やグラフを活用し、文字数を抑えるなど、資料は簡潔かつ見やすく仕上げましょう。また、色使いは3色程度に抑え、統一感を持たせることが大切です。

⑤ 推敲で最後の仕上げ
見出しの分かりやすさ、情報の根拠、流れの一貫性、ビジュアルの魅力、ページ順の適切さを確認し、完成度を高めましょう。

プレゼンテーションは、営業活動における重要な武器です。状況に応じて柔軟に形を変え、無形の“極み”を目指すことで、聞き手を動かす力を高めていきましょう。

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