能く敵をして自ら至ら使むる者は之れを利すればなり、能く敵をして自ら至ら得ざら使むる者は之れを害すればなり (孫子 虚実篇)
商談において、クロージングは成功を決定づける最大の山場です。適切なクロージングを行うためには、顧客の状況や反応に応じた柔軟なアプローチが求められます。
1. クロージングテクニック
① 二者択一法
顧客に2つの選択肢を提示し、自然と決断を促す方法です。
例:「色は黒にしますか、それとも白にしますか?」
選択肢を限定することで、迷いを減らし、決定を加速させます。
② 肯定的暗示法
顧客からの小さな同意を積み重ねて、最終的な承諾へとつなげます。
例:「その用途なら、この機械がぴったりですね。」
段階的な同意が、信頼感を強化します。
③ 結果指摘法
導入のメリットと未導入時のデメリットを比較し、決断を促します。
例:「今このタイミングで導入すれば、業務効率が20%向上します。」
緊急性やリスクを強調することで、行動を促進します。
④ 要約法
提案内容のメリットとデメリットを整理し、最終的な合意を得る手法です。
例:「コストは少々高めですが、長期的に見れば運用コストを大幅に削減できます。」
バランスの取れた要約が、顧客に安心感を与えます。
2. テストクロージング
クロージングに向けた準備段階として、顧客の意向を確認する テストクロージング は欠かせません。これは、商談の途中で顧客の購入意欲や意思決定状況を探るための手法です。
①テストクロージングの目的
- 顧客の反応を確認する
商品のメリットが理解されているかを確認します。 - 課題や懸念を引き出す
潜在的な不安や障壁を特定し、早期に解消します。 - 購入決定を後押しする
心理的なハードルを下げ、スムーズなクロージングを実現します。
②テストクロージングの具体例
- 「この条件で進めるとしたら、いかがですか?」
- 「導入後のイメージは湧いていますか?」
- 「こちらのプランが御社のニーズに合っているように思いますが、どうでしょうか?」
これらの質問を通じて顧客の意思を確認し、次のステップへとつなげましょう。
クロージングとテストクロージングは、商談を成功に導くための重要な技術です。顧客との会話の中で適切なタイミングを見極め、提案の根拠として顧客自身の発言を活用することで、商談の信頼性を高めることができます。