勝兵は先ず勝ちて而る後に戦い、敗兵は先ず戦いて而る後に勝を求む(孫子 形篇)
1. 営業担当者がよく口にする“できない”理由
営業現場では、担当者が成果を出せない理由を以下のように説明するケースが見られます。
- 「訪問先が見つからない」
- 「商品が競合に劣っている」
- 「価格が高いと言われる」
- 「決裁者に会えない」
これらの主張は一見すると合理的ですが、実際には行動の工夫や改善によって乗り越えられる課題であることがほとんどです。
2. 行動を改善するためのアプローチ
営業担当者の行動を変え、組織全体のパフォーマンスを向上させるためには、以下のようなアプローチが有効です。
① 明確な評価指標の設定
売上や利益といった最終的な結果だけでなく、訪問回数や提案数などのプロセス指標も評価基準に組み込みます。これにより、行動そのものが重視され、営業担当者が「何をすべきか」を理解しやすくなります。
② 人事評価制度との連動
訪問や提案といった行動指標を人事評価と結びつけることで、担当者が主体的に行動を改善するモチベーションを高めます。具体的な数値目標を設定し、達成度合いに応じて評価する仕組みを導入します。
③ 継続的なフィードバックと改善
定期的なレビューやコーチングを通じて、担当者の進捗を確認し、改善点を具体的に指導します。小さな成功体験を積み重ねることで、行動の変化を習慣化させます。
営業戦略が効果を発揮するためには、担当者の行動が伴うことが不可欠です。結果を求めるだけではなく、日々の行動プロセスに目を向け、改善を促す仕組みを整えることで、営業組織はより強靭なものになります。「戦う前に勝つ準備をする」ことが、営業の現場における成功への最短ルートです。